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用語集
所有と経営の分離
しょゆうとけいえいのぶんり
企業の場合は、株主と経営陣がそれぞれ「所有者」と「経営者」として実態的にも分離しているのが一般的です。株主から企業経営を委任され、より企業価値と収益を高める経営を実行して、株主に株価と配当という形で還元することが経営者の責務です。近年では日本でも厳しい企業環境を背景に、こうした「所有と経営」をより明確に分けて企業を捉える傾向がますます鮮明になってきています。 一方、バブル以前の不動産経営においては、所有と経営が一体化していました。総合不動産企業しかり、個人オーナーしかりです。保有メリットのほうが圧倒的の大きかったため、「経営」が軽視されていたというのが実態でしょう。事実、このころの不動産取引は相場(取引事例)が価格決定権を持っており、その不動産が生むキャッシュフローはあまり問題にされていなかったのです。しかしバブル崩壊後、保有メリットが薄れる一方で不動産経営環境が劇的に厳しくなり、不動産の収益性が価格決定権を完全に支配するまでになりつつあり、投資に対してどのくらいの収益が上がるのか、その利回りがほかの投資対象との投資判断の軸になってきています。つまり「経営」が良好に行われていない、あるいは経営状態が不透明で情報開示されていない不動産は、おのずとその価値が低下してしまうのです。